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2014年6月

2014年6月 1日 (日)

「人生劇場 飛車角」 感想文

任侠映画、ヤクザ映画は、大好きで、といってもそんなに見ているわけではなく、DVDや、日本映画専門チャンネルで放送されたものを録画して(もっぱらカミさんが捕獲係)、1杯やりながら観賞するのが我が家のプチ贅沢なのです。

で、先日見たのは、仁侠映画の大ヒット作「人生劇場 飛車角(1963年)」です。
良い映画でありました。
主人公飛車角に鶴田浩二、兄弟分で恋敵の宮川に高倉健、ヒロインに佐久間良子。
監督は東映時代劇の名匠 沢島忠、主題歌を歌う村田英雄先生も役で登場する豪華版です。

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あらすじその他はWikiをご覧いただくとして…

WIKI「人生劇場飛車角」

この映画の特筆すべきは、仁侠映画の形を借りながらも、大ロマンス映画だという点でしょう。
もう、こっ恥ずかしくなるぐらいに、ロマンチックでメロドラマで、たまりません。
男と女の、男と男の、愛と憎しみがメラメラとしたオーラとなって前編を漂います。

60年代の日本映画には、こんな豊かな文芸映画の資産があったのですね…

予告編からして、「これは見なきゃ」という気にさせられますね。

昼ぐらいからこういうのを劇場で見て、帰りに横丁の赤ちょうちんでいっぱいひっかけて、家にけえってひとっ風呂浴びて寝ちまう、そんな休日を送って見たいものだなあ。

話の構造は比較的単純でして、飛車角の恋人おとよと、飛車角の弟分宮川の三角関係なんですが、これがまた、任侠がらみとなるとかなり高度な状況になります。
一人の女をはさんで憎みあうはずの2人の男たち、しかし、そこには慕い慕われの義兄弟の契りがある。
そこには、憎しみでもあり、嫉妬でもあると同時に、互いを尊敬しあう義兄弟の愛でもある、という実に複雑怪奇で滋味の深い感情が横たわるわけです。
そして、その膠着した感情を解決するのが、ヤクザ社会の血で血を洗う「殴り込み」。
女への想いを同時に断ち切って、親分の敵をとるべく、憎いあいつらの本拠地に斬り込むのでありました。

カット割りもカメラワークもライティングも、必然性ありきの、しっかり設計された「建築物」のような出来栄え。
僕は、映像作品にも建築物でいう「構造設計」のようなものが存在すると思っているのですが、ほんとうにバランスの取れたしっかりした建物になっています。
まさに眼福でありました。

で、「人生劇場 続飛車角」という後日譚がありまして(上の予告編二本目)

人生劇場 続飛車角

飛車角に新たな恋が…と思ったら、舞台は満州に展開、なんだか1秒も目を離せない感じのあらすじになっています。これもみたいなあ。

村田英雄先生が堂々歌唱する、シリーズ主題歌はこちら。
これも名曲。

この三拍子ってところが、良いんだなあ。
しっとりしつつ、悲劇的な色合いなんだけど、なんかはずんでいて、ちょっとモダンで、でも儚くて。
この旋律で二拍子や四拍子だったら、きっと軍歌になっちゃってると思う。古賀政男はやはり天才。

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