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2016年4月 9日 (土)

猫につきまして

猫好きです。ええ、猫好きですとも。断固として猫が好きです。
最近、うちでとっている朝日新聞で、夏目漱石の「我拝は猫である」のレトロ連載がはじまったので、猫についてひとこと。

↓我が家の最初の猫、クロネコ闇慈(あんじ)。世話焼きでやさしいいいやつでした。13才で他界。
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猫を飼っている方のおそらく98パーセントぐらいには理解していただけると思うのですが、猫とは、ニンゲンにとって「生活必需動物」です。
江戸時代、嫁入り道具の「づくし」を描いた絵図の中にも、鍋釜などの必需品にまじってしっかり一匹の猫が鎮座しているものがあります。

猫の居ない家は、例えてみれば、冷蔵庫のない家、風呂のない家のようなものです。なければないで、他に代替手段はなくはないものの(銭湯となね)、とても不便な生活を強いられる過酷で貧しい住まいです。一日の終わりに猫を膝にのっけられない生活は、精神的に非常な困難を強いられる寒々とした環境であることでしょう。
私は、子供のころから猫のある家に育ち、独立してからは20年以上猫のいる生活しています。猫を飼っていない人は、どうしてその寒々とした生活に耐えられているのか...

いくら障子をやぶられようが、じゅうたんが毛だらけになろうが、食器棚の上からゲロをまかれようが、多くの飼い主が「猫がいない生活よりは遥かにましだ、ありがとう!」と達観し、喜々として猫との生活に没入するのは、この「必需性」にあるのです。

猫が飼育されていた一番古い記録は、9千年前に遡るそうです。

最初は、ニンゲンが蓄えた穀物をねらう、例の鼠をねらって猫が近づいていったと思われます。そのうち、猫の鼠取りの腕前をニンゲンも当てにするようになった…。同時に、猫としてもニンゲンに色々と便宜を図ってもらい、意識するようになっていった。これが猫とニンゲンとの出会いのありそうなストーリーのひとつ。実際にどうだったのかはわかりません。

現在の猫とニンゲンとの関係は、この「そもそも」とはだいぶ変わって来ました。いやいや、もっと深まり、その本質が明らかになってきたというべきかもしれません。

人間生活の側からいえば、猫は野生動物ではありません。家畜です。家畜というのは、乳や肉をとる牛や、とんかつの原料たる豚などです。また、荷物を運ぶ馬やロバは労働力として役に立ちます。もう少し「産業的」ではない家畜である犬は、そもそも狩りのアシスタントで、つまり、家畜とは、人間の生活に、役に立つ動物のことです。

では、猫は???

猫ほど、ニンゲンの近くにいながら、くそのやくにも立たない動物もありません。うっかり猫の手を実際に借りてしまったら、仕事がはかどるどころではないでしょう。
では、なんで猫が家畜なのか…。

私は猫を、「メンタル家畜」と定義しています。ニンゲンの精神生活にとって「なくてはならないもの」を提供することが、猫とニンゲンとの間にかわされた契約なのです。

例えば、ああ、疲れたなー、でも仕事しなきゃなー、と思いながら座っている。そこに猫がやってきて、ひざの上にいそいそと乗ってくる。おお、来たか来たか、と背中を撫でているうち、15分か20分ぐらいは経っている。その内、猫はふいっと思い立ったかのようにどっかに行ってしまう。そこには、たった15分とはいえ、リフレッシュするに十分な休息の時間が創造されるのです。
逆の場合もまた…。ああ、こまったなあ、仕事ないよ、来月食えねえじゃん、困った…と思って座っている。そこに猫がやってきてひざの上に…(以下同様)。
どうせ、すぐに結論が出るわけでも、自分だけで結論がだせるわけでもない問題で、くたくたになるほど考え込むなんて、脳を劣化させるだけです。ちょっと休んで仕切り直すべき。そのタイミングを教えてくれるのが猫なのです。

ともすれば、あせって暴走してしまうニンゲンの脳の働きに適度に介入して休息をもたらすという、重要な仕事を猫はおこなっているのだと思います。
また、猫のもふもふの毛を撫でているだけで、脳内のセロトニンの分泌が促され、ストレスの解消になるという研究データもあるようです。

↓現在、うちの猫の最年長、三毛猫の気冴(けざや)。内弁慶のかわいいやつ。
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イエネコ発祥の地とも言われる、古代エジプトでは猫を神の地位にまで高め、あがめてさえいました。それも、この猫のなぜか発揮される特殊な能力ゆえかもしれません。猫とニンゲンとは、とかく、「ウマが合う」のです。

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