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2017年2月 3日 (金)

このさきは。

先日、久しぶりに知り合いのプロダクションのプロマネ女史から連絡があり、ちょっとお話しませんか?と。
(こうして、半年以上もほったらかしのブログをさらっと書き始めるのだった…!)

天気予報では夜は冷え込むと言っていたものの、昼間はぽかぽかな午後早く、千駄ヶ谷にあるそのプロダクションの事務所を訪ねました。
JRの駅から将棋会館の方へあるいて、ちょっと時間があったので、鳩森神社でお参りしつつ、富士塚に登ってほほー、としたあと、多分数年ぶりの再会をしたのです。

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小ぎれいな日当たりの良いオフイスで、かのプロマネM女史と、そのプロダクションの社長でディレクター兼CGクリエイター兼プログラマというスーパーマルチなK氏と2時間ほど歓談したのです。
そもそも同業者とじっくり話し込むという機会も少なく、とても有意義な楽しい時間でした。
で、その日のテーマは、ざっくりしちゃうと「映像作りの仕事はどうなっちゃうの?」でしょうか、だったのかな?笑。で、結論は「よくわからんよね」なのですが…

いわゆるVPの制作で成り立っていた僕らのようなプロダクションは、だいたい100万円~数百万円の制作費の作品を、企業や広告代理店から受注して3ヶ月ぐらいかけて作る、それを同時並行で何本か抱える、というモデルで収益をあげていたわけです。
でも、最近、そういうレンジの仕事が激減しています。おそらくニホンウナギぐらいのヤバさで絶滅の危機に瀕しているのだと思います。実感値ですが。

僕もこのところ、映像の演出家というよりは、昨今のデジタル化した動画制作のノウハウをまとめて「自前動画制作」みたいなテーマで本を書いたり、Web媒体で連載やってみたり、セミナーで講師をしてみたり、これまでのプロダクション業務とは別のところに何か鍵穴はないか、と探していたわけでしたが…。
件のK氏も、最近は、Webアプリと映像からめて何かできないか、と色々とプログラムの試作をたくさん実験していたりして、やはりプロダクション業務とは別の鍵穴を探しているということでした。

で、雲行きからすると、結構難しい。
今の技術の流れは、アナログで大変だったところをデジタル化するとカンタンになるし、ラクになる、で、そこには「安くなる」が必ずくっついているので、マネタイズが難しくなる…結果、デジタルがらみで色々やっても儲からない、という事になるわけです。
最新のWebサービスも、結局マネタイズのポイントは広告か、物販か、コンサルか、という古来からの流れがそのまま受け継がれていて、先進的なサービスそのものが直接お金を生むわけではないですしね。

ちょっと方向を変えて考えてみると、VPの制作ということがひょっとしてピンポイントで沈んでいるのかもしれません。
考えてみれば、例えば、企業がブログを持っていて、YouTubeのチャンネルを持っていたとすると、従来VPが伝えてきた情報って、自分たちでなんとか伝えることができるんですよね。
ブログに写真と文章のせて、動画のインタビューなんかはスマホで撮影してYouTubeにあげればなんとかなるし。
その上で、「これだけでは足りない」、という場合に「のみ」われわれに発注がくるわけで。企業の情報発信という観点から見ると、VPの仕事は減って当然といえば当然かもしれません。

で、どうする?
話の中で、家に帰ってからも印象に残ったのは、K氏が言っていた、映像プロダクションの仕事は「撮影できる」「物語が作れる」の2つだという話。
この2つうち、僕が本質だと思うのは二つ目の「物語が作れる」という機能です。
しかも、読む物語だけではなく、時間軸のある物語が作れるという能力が、つきつめると、映像プロダクションというか、映像ディレクターの能力の「芯」のような気がします。

おそらく、映像のディレクターは、映像がわかる、ストーリーが語れる、(つきつめれば時間軸の構成を知っている)、という事を武器にした、なんか別の新しい職業になっていくのかもしれませんね…。
「時間軸の構成」は、映像にも音響にも、もっと言えばSNSのアカウント運用などにも応用のきく技術で、しかもかなり勘所の難しいものです。
しかも、これまでインターネット上ではあまり活躍することのなかったもので、これから本格的に使われていくものだと思います。

そして、プロダクションという事業も、デジタル化したコンテンツをとにかく生産する、マルチコンテンツ会社みたいになるしかないのか、と。テキストも、写真も映像も音響も、プログラムも立体的横断的にコンテンツを作る、編プロみたいな存在?
インターネットのおかげで、コンテンツそのものの需要は爆発的に大きくなっているわけですし。

と、そんな事を考えながら、先のプロダクションをおいとまし、千駄ヶ谷の駅に戻る道を間違えてうろうろしたあげく、偶然にも目の前に現れた原宿駅から電車にのって帰路についたのでした。

わたしのような真の、骨のある方向オンチにとっては、スマホのマップアプリなど全く役に立たないのですヨ…。

そういえば、もう立春ですね、今年はさらに時間の流れが速いような気がします。

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