人はなぜ物語を求めるのか
先週読み終わったKindle本「人はなぜ物語を求めるのか(千野帽子著)」。
本の趣旨としては、人間の脳は、情報を入れるとそれを「物語」として受容する「性質」を持つ、という主張。おびただしい引用と事例を元に、「物語」の効用と罪が書かれている。
最後まで、うんうんうなずきながら一気に読んだ。
例えば、因果関係。ある事象と別の事象に関連性が見いだされた場合、人間の脳はそこに「こうしたら、こうなった」という因果関係の物語を作り出しがち。しかし、それはほとんどの場合、単なる「対応関係」でしかない……のに、ついついそこに原因と結果を作り出し、そういう物語としてしまう。
目や耳から入ってきた情報をつなぎあわせて「納得感のある物語」を作れると「わかった」と感じる。もちろん、その「わかった」は、ありのままの事実とはあまり関係なく、脳が気持ちよくなれるように作り出したもの。
しかしこの、脳の「自動的に物語りを作り出す」という性質は、映像表現にとっては必要不可欠だ。いくつかの映像をつなげて提示するだけで、それを見た人の脳が何かの物語を作りだしてしまう。この働きなしには、どんな映像表現もありえないし、それを適切にコントロールすることが映像のディレクションという仕事なのだ。
そういえば、最近思い立って「ルノルマンカード」というものを買ってみた。タロットのように、引き当てた絵柄で鑑定する占いカード。カードの一枚一枚にシンプルな意味が割り振られていて、複数のカードの組み合わせが語る、それこそ「物語」をひもとくことで占う。まさしく、「脳の物語製造力」によって占うわけ。なかなかたのしい。
「人はなぜ物語を求めるのか」には続編がある。それも購入済み。読むのが楽しみだ。
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