映画

2012年12月16日 (日)

フェリーニ「女の都」感想文

フェデリコ/フェリーニ監督の「女の都」、DVDで久々に観たのです。
1980年、フェリーニ60歳の作品で、封切りで観たっきり30年ぶりぐらい。その間に記憶も薄れ、なんか、マルチェロ・マストロヤンニ主演で大女のバルーンが上がっている映画、ぐらいしかアタマに残っていませんでした。

久々に観てみて、いやあ、おもしろかった。
ともかく、世界がまだ豊かだった頃の代表的な映画なのかな、という感じがします。
大規模なセット、群像シーンの端っこのひとり一人まで行き届いたキャスティングと演出、一体いくらかかるんだとめまいがしてしまうシーンの連続です。
しかも、それらチネチッタの総力をあげた(のかな)すべてが、すべて監督フェリーニの、スケベな妄想のために捧げられているという凄み...。まったあきれるばかりの映画で、見終わったあとにも「すげえなコレ」しか言葉がでません。

80年代というと、僕なんかは、まだついこないだ、という感じがしてしまうんですが、もう30年以上前かあ、と思います。
70年代の終わり頃には「80年代になると何かが爆発する」みたいな期待感があって、実際に音楽シーン、アートシーン、映画シーン、それぞれに新しい事がふつふつと生まれてきていました。(そして実際に色々爆発したのです)
そこにきて、ヨーロッパ映画の超巨匠が放った新作で、予告編はキャッチーな大女の巨大バルーン...。大規模セットの大妄想映画です。こういう映画が、商業的にもきちんと成立してたんだなぁ。

映画の中でこういう作家主義が成立していた最盛期かつ最後期の映画なのかもしれません。
思えば、この時代には、日本の広告の世界でも作家主義が成立していました。僕ら世代の映像業界の人間は少なからずそういう影響のもとで仕事をはじめています。
フェリーニの映画が現在では(多分)とうてい成立しないのと同じように、あの時代の広告はもう成立しない時代になりました。

なんかこのあたりに、今のモノ作りをどうするかという(僕ら世代の)悩みの元があるんじゃないかと思います。そういう事の、ある種ものさしというか、基準になりうる映画、という気がしました。
ひょっとして、今の若い人たちには生まれた時からわかっているような事が、80年代の凶暴な豊かさの中で20代を過ごした僕ら50代世代は、ある程度試行錯誤したり失敗しないとわからない、のではないか。中にはまったくわからない人もいるんじゃないか。
色々はしょって言うと、今は、クリエイター(という言い方はあまり好きではありませんが巧い代替が見つかりません)は「作家」から、何か「触媒」のようなものになる時代になったのかなと思います。

しかし、この映画はスゴい。ほんとうにバカな映画です。バカ映画の歴史的名作「裸のガンを持つ男」と同じぐらいバカです。機会があればぜひ観て(観直して)みてくださいませ。

あまり出来のよくないBD版の予告編。


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2010年8月24日 (火)

お暑うございます。

ああ、暑いですね。
ずいぶん、ブログ、ほったらかしにしてしまいました。
それもこれも、太陽のせい。
この気温が、脳の回転を停止させるのです...。

というわけで、とりあえず近況報告でも書こうと思いまして。別に、本日、某Pにブログぜんぜん更新してねえじゃん、と言われたから...ではありません(笑)...。

なんといっても、この所のグッドニュースは、当組合オリジナルソフト「模型道場- 戦車模型の作り方(応用編)-」の発売です。この12日に発売しまして、なかなか好調な滑り出しを見せています。

商品情報ページ 

アマゾン商品ページ  

アマゾンのカテゴリランキングでも、発売2週間前の予約開始から上位をキープしていまして、うれしいのは、旧作、基本編も引っ張られてじわじわと売上を伸ばしている事です。考えられる様々な予想のうち、かなりいいほうに展開している感じです。

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お盆は、岩手に帰省しまして、一人暮らしをしている母のところに滞在していました。
ちょっとツイッターでもつぶやいたんですが、老人の一人暮らし、しかも足とか腰が悪く外出もあまりできなくなった老人にとっては、「情報量」の不足というのが深刻な問題としてあるような気がします。
僕も今はおっさんですが、あと15年か20年もすると、じじいの領域にどんどん入っていくわけで、そうなった時に、日々消費する情報をしっかり確保しておかないとまずいなあ、というのが実感。
なんか、そこでポイントになるのは「情報を得る手だてを確保すること」では「ない」ということだと思います。テレビ、ラジオ、ネット環境などがそれにあたりますが、そういう「他人が作った情報を得る」事ではなく、自ら溜め込んだ情報や、自分で情報を生成することが大事なんじゃないかとおもうんです。つまり、自分の外側のメディア環境に左右されることなく、いかに自己完結的に情報生活を送るか。自分の手元に消費できる情報の山を築いておくこと。
変な言い方をすると「ひきこもり」のパワー(体力)をガッチリ身につける、ということかなあ。
既存のメディア環境から遮断した(された)状態で何年でも過ごせる、趣味的な世界を構築することが、ひとつの「サバイバル」として必要とされているような気がします。
だから思うのは、ひきこもり力を身につけたオタク的能力が、超高齢化社会には重要になってくるんじゃないか。
うかうかしてはいられませんね、今のうちからしっかり準備しないと!

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しかし、なんだかものすごく暑いなあ、という毎日。が、もちろん仕事もしています。
5月あたりにはしんと静まり返っていた仕事の状況も、猛暑に押されたのか動き始めていて、ひと安心ではありますが...。出来れば、油の乗ったやつをバクっといきたいものですけれどねえ。なかなか...。誰が悪いのでもなく、景気が悪いんですが。

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そういえば...うちの物干し場には大きめのメダカ槽があって、これにトンボが産卵してくれないものかと思っていたんですが、どうやら実現したようなんです。体長1センチほどのアキアカネっぽいヤゴを発見しました。このサイズになるとメダカの餌食になることもないし、逆にメダカの子を捕食して育ってくれるでしょう。

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最後ににこのところで観た映画をメモ書きしておきます。いずれもCSなどを録画したものなんですけど。

●グッバイレーニン(ヴォルフガング・ベッカー) 孝行息子の話

●海底軍艦(杉江敏男) 巨大ドリルは男の子のロマン!

●僕のスウイング(トニー・ガトリフ)天才ギタリスト、チャボロチャシュミットが主演!

●スター毒殺事件(赤坂長義) 狂っていく天知茂

●怪猫有馬屋敷(荒井良平) 普通の化け猫映画

●ぜんぶフィデルのせい(ジュリー・ガブラス) フランスのインテリが撮ったらしい物語

●非女子図鑑(山口雄大ほか、オムニバス) バカ

●愛のむきだし(園子温) 4時間ある

相変わらずあんまり観てないですね。
この中では、「非女子図鑑」がくだらなくて楽しめたのと、チャボロシュミットの姿がぐっとくる「僕のスウイング」が佳作。
「愛のむきだし」は4時間もある大作ですが、まあまあ面白かったと思います。DVDならこの尺の映像作品がもっとあっていいという気がしました。尺としては連ドラ一気見に近いですしね、この長さでしか語れない物語があると思います。

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2010年3月17日 (水)

ガルシアの首/名画座希望

アメリカの映画監督、サムペキンパーの作品「ガルシアの首」。CSで放送したのを録画して観ました。
これを最初 に見たのは、20代のころ、どこか、多分,五反田あたりの名画座だったと思います。当時お決まり三本だての中の一本。
生首にたかるハエの羽音が印象的 な暑苦しい映画でした。

ガルシアの首

久 々に見た「ガルシアの首」、当時感じた印象とはだいぶ違い、ちょっと変な言い方ですが、ロマンチックな映画でした。もちろん、残酷で画面から死臭がただよ うのは変わらないのですが、主人公の行動原理は「純愛」といって良いと思います。愛しい女性が歌をうたう映画として見ることもできます。

それにしても、冒頭のシーンは見事です。薄着をまとっ た若い妊婦と鴨、ゆったりした川面、柔らかな光...。穏やかな風景なのに、何か、とてつもなくいやな事が起こりそうな空気が流れています。
ラストも見事です。復讐を遂げた主人公ベニーは、携えていたガルシア(通称アル)の生首に声をかける「さあ、アル、うちに帰ろう」。直後、マシンガンで蜂の巣に。
シーンの端々が、実にキャッチーでうまい。
もちろん、アクションシーンの編集で、オーバークランクを随所に織り交ぜる、名高いペキ ンパー節は職人芸だし、良い映画です。
傑作「戦争のはらわた」も録画してあるので、そのうち鑑賞したいと思います。

しかし、名画座が昔のようにあれば、こういう映画もちゃんとスクリーンで見られるかもしれないんだよな~。
映画祭とか、映画製作に助成金出す前に、ちゃんと多彩な映画をスクリー ンでみられるように、名画座を国の事業として復活させてほしい。映画が文化として根付く環境を作って欲しいですね。
朝、劇場に700円ぐらい払って入って、3本立て、夕方にはふらふらになりながら も、満ち足りた気分で家に帰る、そういう事をやって映画が体に入っていく、というか映画の見方が身についていくような気がします。
良い映画はどんな環境でみても良い、とはいえ、やはりテレビ画面でみる映画は映画のミニチュアにすぎないんじゃないかな。
うちの甥っ子が大学生のころ、DVD やレンタルビデオで映画作品を観たというのを「映画を観た」と言っているにどうにも違和感を感じたものでした。それは「DVDで観た、ビデオで 観た」だろう、と思ったものです。まあ、今では自分の中でもDVDやテレビ録画で観た作品も「映画を観た」ことになってしまっていますが、劇場のスクリーンに投影されたフィルムをみんなで見る、というのが「映画を観た」だと思うのですよ、本来は。それ以外は代替物だと。
しばらく前に、ヴィスコンティの「山猫」のニュープリント版が劇場公開されたとき、ああ、これが映画を見ると言う事だなあ、という、本当の至福を(久々に)味わった気がしました。
新作映画では、もう絶対無理な映画作法と時間と俳優で作られた「名画」を大スクリーンで見る、これは贅沢な体験。そういう贅沢をもう一度「普通の娯楽」とし て復活させてほしいと思います。映画を観る環境は、そうとは意識されずに、確実に貧しくなっている、という感じがします。すべてのシネコンに名画座運営のスクリーンを最低1つ設けることを義務付ければいいのに。

あ、そうだ、ペキン パーの師匠、ドンシーゲルの作品も録画したんだった。それも観なければ。

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2010年2月10日 (水)

ミリオンダラーホテル/ヴィムベンダース

ミリオンダラーホテル/ヴィムベンダース

こないだの日曜日、録画で。
久々にベンダース節が堪能できました。
いやああ、切ない。柔らかい絶望というか。
ロードムービーじゃないのに、醸し出されるこの漂泊感...。
この世の話ではなく、あの世の話でもなく、とても無常で、まるで夢幻能をみているかのような気分になります。
原案はU2のボノ氏だそうです。

知的障害者ばかりが暮らすホテルで一人の男が屋上から落ちて死んだ、という事件が発端(発端というのとも違うか)で起こる様々な事柄と、その事件の渦中にいる主人公(彼も知的障害者)の心に浮かぶさまざまな気持ちが描かれています。
犯人を探すべく捜査する謎多きFBI捜査官が、メル・ギブソン@マッドマックスで、これがとても良い。相変わらずぶっちょう面なんですが。

心を洗う作用のある映画というの、確かにありますね。

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2010年1月28日 (木)

板尾創路の脱獄王

板尾創路の脱獄王
この前の日曜日、いつものシネコン(マイカル)でやっていたので観に行ってみました。

どうせ入ってないだろうと思って行ったらさすが吉本、そこそこの入り。
結論からいうと、なかなか立派な映画だったと思います。
ところどころ、不条理コントっぽいセンスが顔をだしてしまうのですが、映画として観て楽しめました「映画になってるじゃん」という感想です。

板尾演じる主人公鈴木のセリフが一言もなく、こういうアイディアは結構思いつきそうなものの、実際にやるのはなかなか高度な技が要求されると思います。これに果敢にも挑戦して結構健闘していたのではないでしょうか。

それと、とても高レベルなのが、音響です。いわゆる「空気音」に関してとても繊細に、しかも計算高く作りこまれていて、これもこの映画が立派だと思える理由です。これだけでもかなり立派度が高まる印象。
テレビっぽい音楽ベタな映画がはびこる中、このレベルまで来ていると「音響効果」「音響デザイン」と呼べると思いました。
やはり、音がつまらない映画って多いですよね。

撮影現場では、「魁!クロマティ高校」などでおなじみ山口雄大監督が完全バックアップしていたと言う事で確かにそういうセンスも随所に。

吉本印で、もっとこういう小粒だけど意欲的で完成度のある映画が量産されるようになる、少し面白いことになるのかもしれません。

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2009年11月26日 (木)

最近見た映画

寒い日々が続いていますが、日本の状況も寒いですね~。
この政権、大丈夫かなほんと。
来年もキビシイ年になりそうです。

というわけで、最近見た映画の備忘録。
サムサイミの「サイン」はもう書いたのでそれ以外です。

●サンゲリア
サイン見た後になんか見たくなってDVDで。
あらためて、この時代のホラーを見ると、「B級」の意味がわかります。
現代の映画で「B級」といっても、じつは「B級テイスト」でしかないんですね。
この中身のなさ、お金のなさ、チープな映像表現、どれをとっても実にB級です。
狙いとか演出とか、映像の「ルック(っていうんですか、最近じゃ)」がB級なんじゃなくて、映画を取り巻く環境そのものがB級なんですよね。そこからにじみ出る何かがB級ということなんだと思います。
中身はまあ、ナニですけれど、あらためてB級の意味を考えさせられました。

●転々
時効警察とか撮っていた監督の映画です。
おもしろかったですね、原作は、NHKのドラマ「行列48時間」と同じ作家さんのようです。
構成はとてもトリッキーなんですが、もっとまったりしている、というか、ゆったりとおかしい。
オダギリジョーもいいんですが、年取った三浦友和、いいですね。不機嫌でいいかげんで。
確か「松ヶ根乱射事件」でも、いいかげんで役立たずなオヤジの役をやっていて、よかったんですよ。下手に二枚目なところがまた良い味になっています。

●神に選ばれし無敵の男
ヴェルナーヘルツォーク監督。なんか味が濃く、しつこい映画がみたくて。
久しく、こういう文芸映画(かな)を見ていなかったので、とても楽しめました。ヘルツォークにしては品が良く、暖かい映画だと思います。
しかし、この監督の芯の強さというか「堅さ」というのは魅力ですね。揺るがない。
ポーランドのユダヤ人が主人公で、ナチズムの台頭が始まった時期、というのもヘルツォークごのみの設定なんでしょう。あからさまにはならないけれど、残酷さがひしひしと伝わってきました。

●観察 永遠に君をみつめて
これはだいぶまえ、録画で。
イヌゴエなどの監督が撮った変な純愛映画です。
主人公が子供の頃、天体望遠鏡で覗いた家に住む女の子に恋してしまうところから話がはじまり、以降、大人になり、結婚して子供ができてもずっとその子が住む家を覗き続ける、というのぞき見の話。で奇妙なのは、覗かれている女性もそれを知っていて、覗いている主人公に恋をしている、というところ。とても変な関係ですが、覗き覗かれ、という図式を、思い思われに変換してしまえば、実にまっとうな純愛映画になっています。アイディアの勝利ですね。

●ハンサムスーツ
これも録画で。
あまり、見るところなしです。特に笑えるわけでもないしな~。
一種のマーケティングツールとしての映画の実験、という感じですね、勉強にはなりました。

●マルタおばあちゃんの優しい刺繍
あるスイスの保守的な村で、ご主人を亡くしたとあるおばあちゃんが、夢だった「ランジェリーブティック」を開くというお話し。良い映画です。
がちがちに保守的な息子世代と、なんだか自由になっちゃったおばあちゃんたち世代との対決物語。
おばあちゃんの作る下着がまずはネット通販でブレイクしたりして、高齢化+ネット社会、という現代的なテーマも含まれています。
いろんな国や地域の話として無限の応用がききそうなストーリーです。

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しかしなあ、この政権を一言で言うと「浅い」ですかね、いろいろ、思慮とか想像力とか。
困った。

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2009年11月15日 (日)

スペル/サムライミ監督

サムライミの新作、「スペル」。
当然ですが、観てきました。
劇場はいつもの歩いて行けるシネコンですが。

実は、観る前からこのエントリのキャッチフレーズは決まっていて、それは「死霊のはらわたのライミが帰って来た!」というものだったんですが、実際観てみると、んー、それだけではない、やや複雑な思いが。

確かに、内容的には、期待通りの「死霊のはらわた」「死霊のはらわた2」の路線上の、抱腹絶倒ゲロ吐きホラーで、なかなか楽しめました。
でも、なんかちょっと食い足りないかな〜、サムライミが、スパイダーマンの欲求不満をどうぶちまけてもらえるのか、ある種突き抜けた映画を期待していたんですが、良くも悪くも想定内という感じでした。
サムライミなら、これを撮れて当然ですね。一応、オレまだやれるもん、と言いたかったのか。
すっかりメジャーになってしまった今、今一度自らの原点を確認したかったのかな〜、的な冷静なリアクションをしてしまいました。

スパイダーマンしか観た事の無い方には、ライミの原点を知る上で観た方がいいと思いますね。旧作を映画館でみるという機会はもうないと思うので。
往年のファンは、ライミ節を堪能すると同時に、なんか、複雑な気分になるんじゃないかな〜、と思います。どっか、なんか、サムライミの「自分探し」なの?コレ、という感じ(考え過ぎか)。
いずれの場合も、映画館で大音響で観るというのがマストでしょうね。

しかし、「スペル」という思わせぶりな邦題はどうかな〜、原題はストレートに「DRAG ME TO HELL」。
僕が邦題つけるなら「サムライミの[呪われちゃったの!]」ですかね。身もふたも無いこういうほうが、監督もお気に召すとおもうのですがどうでしょう(笑)。

共同脚本のアイバンライミは、実のお兄さん。本業は「医者で探偵」なのだそうですが、変な兄弟ですね。
ちなみに、一番好きなライミ映画は「ダークマン」です。これ傑作。

あと今年の問題は、タランティーノの新作ですね。

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2009年8月30日 (日)

南極料理人

今日の午後は、投票した後、ぶらぶら歩いて映画館へ(歩いて行けるわけですよ、うちは...ふっふっふ)。
しかし、投票所は、いつもの3割増な感じで混んでましたね。
今、選挙速報見てますが、予想通り、民主で過半数な情勢ですねえ。
太郎さんは党首を降りるようですね。

で、見た映画は「南極料理人」です。
原作の1冊は、カミさんがブックオフの100円コーナーでゲットしたのを貸してもらって読んでいました(面白南極料理人)。
結論からいうと、この映画、おすすめです。
原作も面白いんですけどね。

エピソードを積み重ねて、どちらかというと引き算で演出していく手法は、いまではさほど目新しくはないものの、とても、趣味の良い映画だと思います。
ゲラゲラ笑えるし、奇妙なオヤジたちの共同生活の生態は興味津々。
原作からすると、主人公の西村隊員はもっと活発でやんちゃなキャラクターなんですが、おとなしく飄々とした人物に書き換えられています。でも、映画の出来をみると、これもいいね、と思えます。
こまごまばらまかれた伏線に、地道にしつこく落ちをつけていく脚本も好感もてました。
映画の終盤、(多分)越冬最後の食事のシーンで、隊員たちが家族に見えてくるくだりがあるんですが、これなんかも、意図だけならクサくてしょうもないシーンかもしれないのに、こんなに上手に、丁度良く演じられると、ちょっと、おもわず、ほろっとなります。いいシーンです。
役者が楽しんでいる、というのが見応えなのかな、と思います。

見て損はないと思いますよこの映画。ただ、見ているとホント、お腹がすいてくる映画です。
ついついお腹鳴ってしまうので、そこだけご注意。
カミさんは鳥の唐揚げに反応してましたが、僕はラーメンかな。

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2009年7月13日 (月)

剣岳 点の記

なんか都議選、ともかく、なんでもいいからとりあえず変わってくれい!と。
停まった空気に耐えられないという、そんな気分ですかね。
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さて、昨日のことですが、
剣岳 点の記、木村大作撮影/監督

観て来ました。
相変わらず近所のシネコンです。都議選投票後に。
結構入ってましたね、長い映画なのにみんなエンドロールの最後まで観ていました。映画マナーあるなー板橋区民。

なんというか、まー、まっすぐな、清涼感のある映画です。
ストーリーに余計なひっかけも思わせぶりもなく、すーっとながれてすっと終わりました。
この映画状況のなか、この画をオールロケで撮りきった事にまずは敬意を表すべきだと思います。

香川照之がやはり光りますね。山を歩くときの、あの足の運び、特に歩幅とスピードはそうとう研究したのではないかと思います。山のプロにしか見えない(イメージですが)。誇りと謙虚と大胆がないまぜになったキャラクターも良かったです。
あそこに実際に行かなければ撮れない風景もすばらしく、実際にそこに俳優が身をおいている事にすなおに感じいります。

でもしかし、商業映画という部分では、監督を別に立てる、という選択肢もあったんじゃないかな~、と。
やはり撮影監督の脳と監督の脳とは別物なのだな、という事もあらためて確認。
いろいろ残念部分もありますね。
けど今年の邦画の中では代表的な一本であることには間違いなく、観ておいて損はないかな、と。
監督の「(純な)撮りたい気持ち」と香川照之の足運びを見るだけでも意味がある映画だと思います。
ある種良い意味でアマチュアリズムの映画と言えるかも。
日本映画史上に残るに違いない異様なエンドロールも一見の価値あり。

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2009年7月 6日 (月)

幼獣マメシバ

イヌゴエ、ネコナデに続く、イヌネコ映画第三弾、「幼獣マメシバ」映画版を観てきました。

テレビドラマ版は観てて、結構良かったので。
話は、中年ニートが犬と出会って社会とのつながりを築き始める、といった、なんじゃそりゃ、なものなのですが、あらすじに還元できない要素がたっぷり入っていて実に良く出来た面白いドラマでした。単なる「動物もの」じゃない、犬は観客が喜ぶアメにすぎない、というところから始まっていてなかなか知能犯です。この脚本家はセンスが良い。
テレビ版とスタッフもキャストもほぼ同じで、面白かったです。

テレビ版では、主人公の心が開いて、というかこじ開けられていくプロセスが、かさぶたを一枚一枚剥いでいくように(あるときは気持ちよくあるときは痛く)丁寧に描かれていくんですが、映画の時間軸ではさすがにそれはムリらしく、結構ギミックとストーリーで持っていく感じのシナリオになっていました。
でも設定とテーマをそのままに、ストーリーを変えてしまったのは正解だった気がします。
これならテレビを見た人も、人気作「イヌゴエ」風を期待して観に来たテレビ版を見ていない人も十分たのしめます。
話のキーになるお母さんの扱い方がすごいアクロバチックでギリギリのところを狙っていますね。

ネコナデも面白かったんですよね。
やっぱり、シナリオがうまいんだな。

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