Final Cut Pro

2013年9月28日 (土)

FCP7からPremiere CC 乗り換えご注意点(1)

さて、Premiereを仕事の中核編集システムと位置づけ、幾つか納品物を編集してみました。やっぱり思うのは、FCPにあった自由な雰囲気がだいぶ制限されると同時に、やっぱり、しっかりしてるよな、このソフト、という印象。
おそらく、この数年で、FCP7ユーザーの中には、FCPXを避けて、PremiereCCに乗り換える人たちがそれなりのボリウムでいるんだろうと思うんです。
その際に、インターフェイスがかなり似ているので取っ付き易い反面、似ているのに位置づけがそうとう違ったり、根本的なところで思想が違っていて、むむ、と戸惑う場面もあるのではないかな、と思います。

で、今回から何回かにわけて、似てるけどここが違うFCP7とPremiere、というテーマで、両者の根本的な違いをちょっと書いてみたいと思います。同じオペレーションをした場合の結果の違いを、気がついた範囲でぽちぽち綴っていこうかと。FCPユーザーから見たPremiereの注意点、みたいな。Premiere乗り換え検討中のFCP7ユーザーの方に参考になればなーと思います。

例えば、こんな事。

●タイムラインでクリップをダブルクリックして、プレビューした時の挙動の違い
FCPでこれをやると、ビューアに、タイムラインに置いたクリップが表示されます。何かエフェクトを適用している場合には、それが適用済みの状態で表示されます。

Premiereの場合は、この操作をしてFCPのビューアに相当するソースモニタに表示されるのは、イン点とアウト点の情報のみを伴った素材そのものです。エフェクトを適用してあっても、「素」の状態のクリップが表示されます。エフェクト適用済みのクリップの状態を単独で見たい場合は、タイムラインの隠したいトラックをいちいち非表示にして、タイムラインの状態を表示するプログラムモニタで確認する必要があります。
この状況は多分、ほとんどの場合、ビデオトラックが10本とか重なっている状況だと思いますので、結構煩雑なオペレーションになります。が、例えば、気になっているクリップのエフェクトの状況と、その一個上のトラックのテロップとの兼ね合いだけを見たい、などという場合には、かなり理にかなったオペレーションではあります。

FCPでも、同じオペレーションは出来ますが、余分なトラックを非表示にした瞬間、それまでのレンダリング結果は無効になってしまいます。Premiereの場合はレンダリングファイルとのリンクはそのまま温存され、トラックの表示をレンダリング直前の状態に戻すと再リンクされて再度レンダリングする必要はありません。

ですので、FCP7の場合、タイムラインでダブルクリックしてビューアに表示したエフェクト適用済みのクリップを別の場所で使いたい場合は、そのままビューアからタイムラインにドラッグすればOKです。

Premiereの場合は、エフェクトごと再利用するには、ソースモニターからタイムラインにドラッグした上で、属性のコピーペーストするとか、タイムライン状でクリップそのものをコピーペーストする、もしくは、Alt+ドラッグするとかする必要があって、ちょっと直感的というよりは「手続き」的です。

●タイムライン上のクリップに適用されたエフェクトに再度アクセスする場合
FCPの場合は、さっきの例のようにダブルクリックしてビューアに表示させ、ビューアのエフェクトタブを開いてアクセスします。

Premiereの場合は、クリップを選択するだけです。選択することで、独立して用意されたエフェクトウインドウに適用されたエフェクトがすべて表示されます。FCP慣れした感覚だと、ちょっと鍵が甘い感じがして不安になりますが、確かに簡単でスピーディではあります。

●静止画やテロップをタイムラインでダブルクリックする
FCP7のオペレーションの「直感的」っぷりの主要因は、タイムライン上のクリップがムービーであろうが、静止画であろうが、テロップやカラーマットのようなFCP内部で創りだした信号であろうが、ダブルクリックすればビューアに表示されて、まったく同じように扱えるということだと思います。どの素材も同じオペレーションで操作できます。

Premiereの場合は、結構このあたりが複雑ではあります。前述のように、ムービーや静止画をダブルクリックすると、ソースモニターにイン・アウト情報を持ったおおもとの素材が表示されます。で、テロップをダブルクリックするとテロップ用の専用エディタが起動します。カラーマットなら、色を変更するインターフェイスが立ち上がります。その素材の属性によってダブルクリックしたあとの操作が枝分かれしています。このあたりが、一番FCPユーザーがとまどうところかな~と思います。

…とまあ、こんなような事をあと何回か書きますのでよろしくお願いいたします。
次は、テロップまわりとかかなあ。

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2009年8月23日 (日)

FCP/キーボードショートカット

なんか、東京も朝晩は涼しくなり、このまま秋なのかな〜。

このところ、長尺ものを編集しています。
素材はトータル30H×3カメ、これを4時間弱に編集したいわけです。
で、僕はFCPのオペレーションにはペンタブレットで使っていまして、普段はどういうのか、画を描くみたいなフィーリングで編集したい(笑)という感じでほとんどキーボードショートカットを使いません。タイムラインの上部に、よく使うコマンドのボタンを並べて、ペンでクリックしながら編集をすすめます。

しかし今回は、どこまでスクロールしても終わらないほどの素材量がある上、仕上がりも長尺なので、いちいちクリックしていると疲れるなー、と。
というわけで、ちょっとスタイルを変えて、右手はペン、左手はキーボードで、ショートカットをベースにオペレーションしています。

ワークフローは、複数カメラ/パラ収録の一般的なフローで、3カメ分の素材がシンクロしたタイムラインをカミソリツールで切れ目をいれながら、尺調とカメラの切り替えを行います。カメラの切り替えは削除するのではなく、クリップはその場に置いたまま、クリップの有効/無効を切り替えて行います。

で、この方法でよく使うショートカットは、まずカミソリツールの「B」キーと、選択ツールの「A」キー。
これは標準の設定をそのまま使うとして、この他、リップル削除(カットかな?)のテンキー側「delate」キーがあるんですが、標準のままだと、右手を使う事になります。
なので、「X」キーに割り振りを変更。
またクリップの有効/無効は「C」キーに割り振りました。
これで、ショートカットは、「A」「B(およびB二回押し)」「X」、「C」の4つ、全部左手で、しかもほとんどポジションを変える事無く押せます。快適です。
たまに使う「ペーストを挿入」も「V」あたりに割り振ると、さらに快適かもしれません。

クリック数はやはり、肩こりに直結しますよね。

多分、この編集が終わると、自然にクリックベースに戻ると思います。
キーボードショートカットは、なんというか、ちょっと「作業」っぽいですからね。
ショートカットを使わない場合に左手は何しているかというと、MACのディスプレイの左にあるWin機のマウスを使っています。レンダリング中にニュースサイトブラウズするとか。
まー、キース・エマーソン状態?(世代が...)

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2009年8月 1日 (土)

Final Cut Studio バージョンアップ

Final Cut Studioがバージョンアップ
アップルのリリースを見ながら思った事を書こうと思います。

やはり気になるのは、FinalCutPro7です。FCPもついにバージョン7ですか。貫禄がでてきました。
アップルの新機能紹介をざっと見ただけなんですが、実作業に使う上で一番大きそうなのは「切り出しと転送」や「共有(バッチ書き出し)」がバックグラウンドで動作するようになったというところでしょうか。取り込みや書き出ししながら編集できるというのは欲しかった機能です。

Proresコーデックに新しいファミリーが出来たそうで、まあ、4:4:4を使うケースはうちなどではほとんどないと思いますが、LT(ノーマルよりビットレートが低い)なら画質と用途のバランスがよければ活躍しそうな気がします。
あとマーカーの色分けとかもいいですね。しかも、マーカーのリストを出力できるようで、これはかなり便利だと思います。

iChatにキャンバスの表示を出力できるようで、これは面白いですが、実際、通常のプロダクションで使う場面があるかどうか。社内の人間同士で意見を集約する、みたいな事ならありそうかも。
それと、YouTubeに直接プレビュームービーを出力してしまう機能もあるようですね。YouTube側で公開しない設定にしてあれば実用性はありそうですが、ちょっとした手違いでこっぴどい目にも遭いそうです。
Premiereには、プレビュームービーをPDFに埋め込んでネット経由でクライアントとやりとりできる機能があるんですが、そういうことのアップル的回答ということでしょう。

たしかバージョン4あたりで搭載された、スピード変更のツールが改善されたというのは朗報。新機能紹介ムービーを見ると、改善されたのは修正メニューの「速度...」と、ツールバーに入っているスピードツール、タイムライン上での速度のキーフレーム編集のようですが、モーションタブ内のグラフベースの速度変更インターフェイス「時間のリマップ」こそ改善して欲しかった気がします。

あとは、アルファトランジションですかね。Motionでやっていたような凝ったトランジションがFCPを出なくてもできるようになったようです。

あ、BD出力もFCPから直接できる模様。

Motionでは、カメラの被写界深度の調整ができるようになった、とか、ライト以外にシャドウやハイライトのコントロールができるようになったとか、気になる機能が満載です。
SoundTrackProは、もともとループシーケンサーのふりをして登場してきた(?)ように思うのですが、すっかりMA用のソフトとして完成してきたという感じですね。Pro ToolsやNuendoの位置を目指しているようです。僕もBGM制作のほか、ノイズリダクション用途で使う場合がありますが、結構いい感じでノイズ取ってくれると思います。

で、いつバージョンアップしようかな、と。
31800円。FCS2のときよりは安いのかな。とは言え、うちでは同じプロジェクトを2人がかりでいじる関係上、2セット必要なので、このご時勢にちょっとイタイ出費になります。
今はむりですね~(経営者的判断...)。

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2009年4月21日 (火)

FCP物語(終)

あー、もう前のエントリーから二週間も...。
ちょっと時間のない仕事に関わっていたのと、どうも、急激な気温気圧の変化に気が遠くなっていました。
としのせいで適応力が....。

で、前に「実はまだ続く」と記したまま、そのままになっていたFCP話の最終回です。

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こうして数年間、FCPを使ってきて思うのは、いやあ、このソフトがあって良かった、という事です。
僕の仕事のなかで大きなウエイトを占めていた編集室での作業が自分の作業場で可能になる、というのは本当に大きい。
しかもしの環境がノートPCで持ち歩けるというのは、限りない利便性をもたらします。
このソフトと出会っていなかったら今頃どうなっていた事やら、と、大げさではなく思いますね。
人によっては、FCPがPremiereだったり、カノープスのDTVソリューションだったりいろいろだと思うのですが、同感、の方も多いのではないでしょうか。

ところで、僕の場合、FCPを使い続ける理由のひとつに「解像度もコーデックもフリー」という特徴があげられます。
FCPの場合解像度やピクセル比、コーデックをシーケンス別に自由に設定できるわけで、これがありがたい仕様。
同じプロジェクトの中に、多種多様なシーケンス設定を共存させる事ができるわけです。

PremiereProにしても、このあたりの設定はプロジェクト単位が基本なので、なにかと使いづらい場合があります。
僕の場合はテープやDVDに書き戻して終わる仕事ばかりではなく、展示用の上映システム用に特別な解像度を出力する、とか、SD以下の解像度でWeb配信する、とか納品形態もいろいろで、素材も、テープ収録された素材以外に連番静止画で書き出されたCGや、スチール素材なども多用するので、解像度とコーデックの自由度が高いのは助かります。
逆に、いつも同じフォーマットで編集している場合には、事故が起こりやすい環境でもありますね。
以前、知り合いから「DVCPro50で撮影した素材をFCPで編集していて何もしてないのにレンダリングを要求されるんだけど...」みたいな相談があって、いろいろ聞いてみたらシーケンスの設定がDVになっていた、という事がありました。せっかくDVCPro50なのに仕上がりがDVになってしまうとは...。こういうコーデック違いな事は、Premiereとかではあまり起こりそうもありません。

さて、初期のころ結構意気込んで使っていたFCPも、今ではすっかりこなれた存在になって、もう紙と鉛筆みたいなものです。
FCP初期のアップルの宣伝文句には「映像のワープロです」みたいな文言があったのですが、まさしくそれが現実のものになりました。

こういうツールは、導入するのは敷居が低いのですが、使いこなすまでが大変です。
オペレーションの技術を身につける、という面でもある程度大変さは伴いますが、それよりも、たとえば「オーバーラップが出来た」とか「文字をぐるぐるまわせた」とか、そういう「出来た」ことに感激してしまい、肝心な演出への注意が散漫になってしまう事が多々あることです。このあたりは、いつでもすぐそばにぽっかり口をあける落とし穴なので、重々気をつける必要がありますね。
それと、専用機と違って「予定通りに動かない」「仕様どおりにならない」事もままあります。
たかだかパソコンでやる作業ですから、まーつなげるだけでも御の字、ぐらいに醒めて使うのが吉だと思います。このあたりはハードの性能によるので、自分の環境で、どのあたりまでは確実で、どのへんからがあやしくなるのか、「とことん」使い倒して感覚的にわかっておく必要があります。

ディレクターがFCPを導入するのは、スタジオをやろう、というわけではありません。
自己投資のひとつで、その投資をすることでワークフローを変えていこう、仕事をラクにしたり有利にしたりしていこう、という事なので、自分の身の丈にあった投資をして、その投資にみあった利益があがればいいわけです。
MacBookに入れたFCPでも、軽いコーデックなら並のテープ編集室以上の事ができるわけですから、まずはそういう安いソリューションを手に入れていろいろやってみる事のほうがメリットが大きいのではないかな、と思います。

それと、ややせちがらい話ですが、個人がこういうシステムを導入した場合に、「いつ元がとれたのか?」を意識する事が重要と思います。
自分が手にした報酬の中から、「これぐらいはFCPに働かせたぞ」という金額を意識する必要があります。なにしろ、一度導入したら、バージョンアップもあるし、ハードの更新もあるので、ゼロカウントではなかなか運用は難しいです。

フリーには、こういう原始的なレベルの経営感覚が重要と思われますね。

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2008年12月25日 (木)

FCP物語(8)

編集環境を持ち運んだらどんなことが起こるのかその思いはどんどん募って、結局、PBを購入することに。
そのときに書いた記事がコチラです。

http://homepage1.nifty.com/senzaki/1/topic/pb.htm

このマシン、今やブログ更新用のリビングマシンとして余生を 送っていますが、当時は、仕事場といわず、旅先といわず、スタジオといわず、移動編集スタジオとして大活躍してくれたものです。
編集作業が「場所」に制限されなくなるというのは不思議な感覚で、ずいぶんいろんな実験をしました。
た とえば、スタンダードな使い方でいうとFCPでつないだブロック素材を編集スタジオでつなぎこむ際、そのブロック素材のデータ一式をPBに入れてスタジオ に持ち込むという使い方。つなぎこんでいく中で何か変更点が出てきたら、その場でFCPで直して、ハンディカムを使って書き出し、入れ替えてもらう、と か。
あと、非常に急ぎの仕事で、地方ロケに持って行き、ロケ帰りの新幹線で取り込みとNG抜きをして...なんてこともしていました。
試写をPBを出しにして行い、その場でテロップ修正や順番の入れ替えをする、とかも。
PowerBookと少々の周辺機器さえあれば、どこにいても編集できる、というのは、なんとも奇妙で、便利。
編集という作業はもともとスタジオに入ってするものなだったのに、コタツに入ってでもできるわけですから。

ちょうどそのころ、父親が癌で入院していて、編集仕事に追われながら、しょっちゅう岩手に帰省していました。その時もこのマシンを実家に持ち込んで編集していたものです。
結局父は亡くなってしまったんですが、生前、たびたびお見舞いにいけたのも、FCPとPowerBookのおかげです。そう思うと、もうパワー的にはキビしいこのマシンもなかなか捨てる気にはなれないんですよね~。
20GだったHDDを60Gに取り替え、ちょっとだけ若返らせて使用中です。
Pb ←コイツ。
PowerBookで使っていたFCPは、バージョン3と4の初期でした。
FCP4(HD)は、解説本を書かせてもらったりしたので、思い出深いバージョンです。
機能的には、タイムシフトなどが新規に加わって、それまでのシンプルなインターフェイスがやや複雑になった印象でした。
ちょっとPremiereっぽくなったかな?という感じ。確かPremiereの開発にかかわったスタッフがアップルに移ったという話を小耳にはさんで「だからだ...」と思ったものでした。
HD対応、といっても、このころは対応するのは、パナのDVCPROHDのみでした。
でも、4まできちゃうと、ほぼ、使い勝手は現在と変わりませんね。音もずれなくなったし。

4以降のバージョンアップは、一度こなれたベースの上に対応フォーマットを増やしたりや、新コーデックを積んだり、といった進歩をすることになります。
5以降はスイートになって、バンドルソフトとの連携が重視されていくので、FCP単体での変化はそれほど目だったものはないと思います。
HDVなど軽量HDフォーマットへの対応ととか、FXPlugのサポートとか。
SoundTrack ProやMotionとの連携が強化されたので、音も合成もMac上でやってしまう人にはかなり使い勝手がよくなりました。
4から6への変遷の中で、対応フォーマットも、HDV、XDCAM、パナのP2システム、AVCHDと増えていき、ほとんどの新興カメラシステムとコンビが組めるようになりました。

バージョン4から5ぐらいまでは、次世代HDフォーマットは?それをFCPでどう運用すべきか?などと、あれこれアタマをひねっていたのですが、現在は、ちょっと興味がうすれつつあります。
結 局、どのシステムを使ったとしても、一度、AIMCDかProres422に変換して取り扱うことにしているので、何で収録するかは、その時々で使い勝手 と予算に合うものを選べばいいし、臨機応変でいいんだな、と思っています。実際に機材を持たなきゃいけない技術系のプロダクションにとってはアタマのいた い問題だとは思いますけどね~。(実はまだ続く...)
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2008年12月22日 (月)

FCP物語(7)

しばらく間があいたので、どこまで行ったっけかな、と、前のを読み返すと、そうか、バージョン2まではいろいろ心もとない部分もあり...デスクトップ編集の密室性や個人性にちょっと悩んでいました...ということろまでですね(ナンバリングが違ってたので直しました...)。

「前途有望だけれど、ちょっとひ弱な若造」的雰囲気があったFCPが、晴れてプロらしい道具になったのは、バージョン3からではないかと思います。
ひょっとして、いまだにFCP3をOS9で使い続けている人もいたりして、...と思えるぐらい。
安定したバージョンでした。

件のテロップ問題も、「タイトル3D」が日本語を理解するようになり、使い勝手も向上。
このテキストジェネレーターは、ややレンダリングが重いという面はあるもの、ほぼ実用に耐えうるものになりました。
まー確かにPremiereが採用していた、レイアウトをリアルタイムで確認できるテロップシステムに比べればやや使いにくい面はあるものの、慣れれば使えないことはありません。
バージョン3で、旧バージョンのダメ部分で改善されていなかったのは「音ずれ」です。
素材のタイムコードが途切れると、取り込んだあとに、途切れ以降の音がずれてしまいました。
僕らのようなVPの仕事だと同録音は捨ててしまうことも多いので、普段はそんなに表面化しませんが、ロングインタビューなどで音がずれてしまうとやっかいです。
これがおこってしまうと、口パクをみながら手動で音をあわせるほか手はありませんでした。

バージョン3といえば、特徴的だったのは、FireWireからのタイムコード出力機能です。
こ れは、なんというか、信頼性がイマイチなのでベータ版的なニュアンスで「おまけ搭載」されていたものです。この機能と、DVCAMデッキのタイムコードを 繋ぎ撮りしてくれる機能を使って0Hショーのテープを作ったりしていました。結構便利なので、本格搭載されるのを楽しみにしていたのですが、次のバージョ ンからは「やーめた」となったようで、未だに搭載されていませんね。

バージョン3でかなり完成度も上がったFCPをこの時点でみてみると、このころすでにして十分一般的なテープ編集室と同じ性能をそなえた編集システムだったと思います(音がずれちゃう件はまーアレですけど)。その上でノンリニアのメリットがあるわけですから使わなきゃソン、という。
実際、テープ編集室からは「最近テロップ入れぐらいしか仕事がなくなった~」なんていう話が聞こえ始めたのもこのころだったような...。

OSXをサポートしたのもこのバージョンですね。
そう考えると、OSXももうだいぶ経つんだな~、ついこないだのような気がするのに。

こうして、FCP3がうまくバージョンアップしてくれたおかげで、だいぶ自信をもって作業ができるようになりました。
ただ、前回書いたような「デスクトップビデオの正しい使い方とは?」のような事にはまだまだ結論がでないままでした。結局難しいんですよね、新しい方法論だし、使っているこっちも試行錯誤中、でも、これを定着させたいので、周囲には「いろいろいいっすよコレ」とPRしなきゃいけないしで。

などやっているうちに、編集環境を持ちあるいたら何か起きるのか?と考えるようになりました。何がおきるんだろ...おりしも、PowerBookG4が値下げされ、20万円台に...(続く)

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2008年11月 4日 (火)

FCP物語(6)

アナログかつ集団的な編集作業を、デジタルかつ個人的な作業に置き換えるむずかしさ。
当時僕が直面していたのは、そういう事だったのかな、と思います。と同時に、この問題は今だにすっきり解決しているわけではありません。

それまで、いわゆるオフライン編集(スタジオに入る前の予備編集過程)はさんざんやってきましたが、これは、シナリオを書いたり、コンテを切ったり、ロケしたりといった「ディレクター脳」で行えます。
ところが、編集を「仕上げる」作業は、この従来の「ディレクターの脳」じゃムリなんですよね。
編集スタジオでの僕の仕事は、編集のオペレーターと共同作業することで、例えばテロップ入れの場合、「これとこれとこのテロップはセンターした位置で同じ にそろえて、こっちは、左上に置いて大きさは一回り小さくエッジはもっとソフトに」といった、テロップの階層性を判断してデザイン上の指示やタイミングを 指示をだしていくことです。それを受けて、オペレーターは「仕上げて」いくわけです。
FCPで自分で仕上げるとなると、従来のディレクター脳の作業と同時に、それを実現する「オペレーター脳」が必要になってくるわけです。
今でこそ、「オペレーター脳」もだいぶ鍛えられてきましたが、当時は、結構大変でした。
ディレクターは、多少でこぼこしていても「いい按配」に収める能力がもっとも重要ですが、オペレータの作業はもっと具体的で数値的です。そこをなまけると仕上がりに、どこがどうという事じゃない、「ピリっとしない感じ」が出てしまいます。

「FCPの使い方がわかる+演出できる」という事に加えて「オペレーターとしてきちんとしたアウトプットを作る」という技術が必要になってくるわけで、そこが一番大変だった気がします。
そして、たいていその種のミスは、最終的にテープに書き出している最中に発覚します。
あーあ、と、また修正して書き出しなおし。みなさんそうだと思うんですが、やっと終わったと思った夜なべ仕事でやりなおし、はへこみます。

そういう事にくわえて、編集というプロセスを誰とも共有できないという事への不安もありました。
これは実は裏腹で、自分一人で編集に没頭できる気持ち良さもありつつ、作業が社会化されない、というか、なんか妙な狭いところへ入り込んでしまう心配がありつつ...。
スタジオでの編集は、最低でも3人、多い時には10人程度で進行します。編集の確認がリアルタイムで進んで行くのでガラスばりです。
でもFCP編集は密室でブラックボックスです。この違いは大きい。編集終わってからの最初の試写が勝負!と僕が思うのは、このあたりに起因しています。

こうしてFCP編集をするようになって、有利だったなと思うのは、過去何年もポスプロで編集した経験値があった、という事でした。
つまり、到達すべきクオリティというか「状態」がわかっている。
ポスプロでのアウトプットに届いていなければNGだし、届いていればOKなわけで。
なのでこのころの僕のFCPのオペレーションは、ポスプロの出力結果に極力近づける、という事が最大の関心時でした。
ターゲットとして、僕がよくお世話になっていた某編集スタジオの某編を念頭において、そこのシステムで出来る事と同じ事をFCPでやってみる。
うまくいかなければ、それに近づけるための工夫をあれこれ。そうやって上達していったんだと思います。(続く...)

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2008年10月25日 (土)

FCP物語(5)

FCPを仕事に使う。
いよいよ計画を開始したわけでした。
後になって思い返してみると「そんなこた考えりゃ予測できただろ?」という事も、いろいろな事情や心理状態、能力の限界などなどにより、その時は「わかんない」場合ってあると思います。とにかくまず実践してみることの重要性がそこにあるし、実践のともなわない理屈の無意味さもそこにあるのだと思います。その事を痛烈に実感したのが初期のFCP作業でした。

初期のワークフローは、DVCAMで撮って、FCPでブロック素材をつないで編集室に入って、カンパケ。
しかし、実際にやってみると、この方法では、せいぜい数時間圧縮できるだけで、たいして効率化しないんですよね。やってみてわかった。
僕の計画では15時間ぐらいかかっていた作業が数時間に、つまり1/3ぐらいにならないとちょっと目標には未到達。
考えて見れば、編集スタジオで時間がかかるのは、特殊効果だったり、テロップ入れなわけですよ、それ以外が効率化してもあんまり効かないわけで、当然の結果 なのでした。どうやら、デスクトップで納品可能クオリティの映像がハンドリングできたというだけで浅はかにも舞い上がっていたようです。PCを使った作業で陥りがちな事態です。FCPで手間がかかっている分だけ「損」してるじゃん、という感じでトータルの収益性は、時間や手間を考えるとむしろ悪化しています。

となると、FCP上でどこまで完成に近づけるのかがやはり勝負ということになります。

しかしながら、このころのFCPは、「完成させる」つまり、編集スタジオと同じ事をやらせるという点でみるといくつかの問題がありました。

ひとつはテロップです。
このころのFCPでは、一般的な「白抜き黒エッジ」のテロップを入れる事はできませんでした。ドロップシャドウはつくのに、エッジがつかなかったんです。
方法としては、いちいちフォトショップでテロップを作ってスーパーインポーズするしかありません。しかも、フォトショップでエッジをつける時に使う「レイ ヤー効果」をFCPでは解釈できないので、読み込む前にラスタライズする必要があります。これは「直し」を考えると不便と言わざるをえませんでした。
そのうち、フリーの「縁つきテキスト」というプラグインが手に入るようになり、若干状況は緩和したものの、ポスプロでの入れるテロップと比較してキレはいまひとつ...。

それと、さらにイマイチだったのは、トランジションのディゾルブです。ディゾルブ(オーバーラップ)はもっとも使用頻度の高いトランジションですが、これの出来がめちゃくちゃ悪い。ディゾルブの途中で明度が下がってしまい、なんというかフェードぎみにOLするというか、そんな按配でした。
これについては、トランジションのプラグインを使わず、不透明度をキーフレームでアニメーションさせる、といった手法で回避ほかありませんでしたが、これだとクリップ全体にレンダリングかかっちゃうのでトランジション分を切り離して、など、手間がかかります。

そんなこんなで、なかなかカンパケクオリティが出せない状態でいろいろ苦労するうち、FCPは2にバージョンアップ。
ディゾルブの問題に関しては、このバージョン2で一応解決されてひと安心したものの、テロップに関してはまだぱっとしない状態が続きました。
日本の映像制作ではテロップがかなり重要な役割をはたしていますが、これをアメリカ人の開発者が理解できないからだ、なんていう話もささやかれたり...。
バージョン2には、縁つきテキストと同じ機能を持つ「アウトラインテキスト」ジェネレータが追加されたのですが、やはりどうも、キレはいまひとつ。また、 今のタイトル3Dの前身にあたるジェネレータが付属するようになったのですが、この時点ではまだ日本語の認識ができず、実用性はやっぱりいまひとつ。相変わらず、ガマンしてジェネレータでテロップ入れるかフォトショップ作業に頼るかしかありませんでした。

これ以外にもジャギーの問題とか、編集上がりに「パソコンっぽさ」がにじみ出てしまう局面がいくつもあり、試行錯誤しながらダマシダマシの作業をしていました。
FCP2になってからは、トランジションつきほぼ完成尺のブロック素材に、凝ったテロップ以外(いわゆる下位置テロップ)をいれた状態でスタジオに持ち込み、カンパケしていました。
この方法で、一応、やっと計画に近い編集スタジオ費の圧縮が実現して、僕の収益性も改善してきたのですが、クオリティに関してはちょっと微妙というか、なんか、どこがどうという事もないんですが、プロダクションもクライアントもOKなんだけど、なんていうかな〜、なんか違うね、という感じが続いていました。

まーいろいろありつつ、しかし、もっとも重要な問題は、実のところ、オペレーションする僕のアタマの中の問題だったんですよね〜....(つづく)。
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2008年10月15日 (水)

FCP物語(4)

さて、注文していたブツ一式が届き、セッティング。
このころ、仕事で使っていたパソコンは、確か、シャープのメビウスだったかな~。その前にしばらくMacばかり使っていた時期もあるのですが、アップルマークのマシンは久しぶりでした。

Fcp1_3 これが、FCP1.25のパッケージです。
小さいですね、今もこんな風に単体で欲しい人いるとおもうんですけどね。

ともかく、前回書いたような、自分なりの不安や疑問を解消しておく必要があります。
まずは、オペレーションができるようになること。
そして、このシステムでブロック素材をつないでスタジオに持ち込みたいわけですから、DVというコーデックの特性も含めて「画質に問題ないか」を判断すること。
さらに、二つ目の課題がクリアできた場合、それまで僕が使ってきた編集スタジオと同じ事がFCPで果たしてできるのか、その検証をすること。
この3つが課題でした。
最初の課題であるオペレーションの問題はまあ当然として、2つ目が実証できれば、「オレ様計画」は実行に移せます。さらに3つ目が実証できれば、これはほんとに凄いことだと思いました。
もともと僕は、映像制作のあらゆるプロセスの中で、編集というプロセスにもっとも興味があって、映像演出の大きな可能性はここにあると思っているので、編集スタジオなみのことが、自分の手元でいくらでも時間をかけられる、というのは天国みたいな話なのです。

さて、まずはFCPのオペレーション。
29 これが、インターフェイスですが、最初のころのキャプチャがどうしてもみつからず、おそらくこれはバージョン2か3だと思います。この頃のOSは9。昔のアップルメニューが懐かしいですね。
第一印象は「なんてスマートなインターフェイスなんだ」でした。とまどってしまうほどボタンが少なく、自由度が高い。このころのFCP、今にも増して美しかったと思います。
僕は、あるプロダクションで、AVIDのメディアコンポーザーを使わせてもらっていたので、オペレーションに関してはさほどとまどう事はありませんでした。
違いはAVIDがちょっとカチカチした、機械ちっくな操作感なのに比べ、FCPは自由というかやわらかい。逆にそのふにゃふにゃした感じが使いにくい、という人もいるらしいですが、僕にはすぐになじめました。AVIDの場合は(今はどうなってるのかわかりません が)、操作が階層構造になっていて、ある操作をするためには、まずそのモードに入る必要があったんですが、FCPの場合は操作体系が実にフラットです。すべての道具が目の前にずらっと全部並んでいる、という感じ。これはこれで見通しの良い作業環境だと思いました。
で、次に思ったのは、FCPのインターフェイスを理解するための一番大きなコツは「ビューア」を理解することだな~と。このビューア、編集室でいうと「出しのデッキ」っぽくみえるのですが、その実、クリップを統合的に管理するためのインターフェイスなんですね。ここがピンと来てないとなかなか使いこなせないように思います。
あと、ほぼすべてのパラメータにいちいちタイムラインがついていてキーフレームでコントロールできるところが画期的だと思いました。

半年程いじって、ある程度使えるようになると、実験を開始しました。
DVCAM撮りした素材を、FCPで取り込んで、カットつなぎ程度のラフなブロック素材にして、またDVCAMに書き出し、それを編集室に持ち込んでみる。
ちょうど、やっとポスプロにもDVCAMのデッキが普及をはじめたころでした。
出しのデッキとして編集卓につながっていない場合は、デジベあたりにダビングしてもらって使用。
こういう事をやりながら、プロデューサーや代理店、クライアントの反応を見ていったのでした。
その結果、おおむね問題ないかな、という感触。ポスプロのオペレータも特に補正の必要性は感じないようでした。
僕自身はというと、やはり画が「浅い」というか、弱いのはいなめないなーという感じ。被写体や撮影条件によっては「ペラペラ」になってしまいます。DVは 色を激しく間引いていますからその影響がモロに。カメラマンと相談しながらフィルター(光学)ワークでにげたり、色々工夫していました。テープに一度収録 されたものは、その後の劣化も変化もきわめて少ない(し変化させたくない)わけですから、工夫のしどころは撮影時、というわけでした。このころよく使っていたカメラはSonyの 500ws(肩のせ)だったか。あと「画質に眼をつぶって」PD150とか(コレでしか撮れない画というのもあるので)。
しかしこれも時代が進むと、カメラが進歩して、DVCAMもきれいになってくれましたね、最近では不満を感じることもなくなりました。過激な補正と補完の産物なんでしょうけれど。あと、デジタルな映像にこちらの「眼」が慣れた、というのもありますが。

さて、これでいよいよ、仕事に使えるぞFCP、となったわけでしたが、なかなか計画通りにはいかないもんですよね、やってみなければわからなかった問題が色々と...(つづく)。

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2008年10月 4日 (土)

FCP物語(2)

低予算時代をのりきるために、編集費を圧縮したい。これがFCP導入の要因その1。
要因その2は、当時、映像制作の撮影現場そのものがデジタル化してきた、という事があげられます。

んー、うろ覚えですが、おそらく、2000年のちょっと前、長い間放送〜業務用の映像収録フォーマットとしてスタンダードだったベータカムにとってかわるべく、DVフォーマットの収録機材が台頭してきたのです。
DVは、家庭用のビデオカメラ用に生まれたデジタルビデオの規格で、DATほどの小さなテープに、DVコーデックという1/5圧縮(このサイトの名前の由来です)する優秀なコーデックで記録するというもので、現在では、SD収録のすっかりスタンダードですね。
当時のPCで取り扱い可能な軽さにまで映像を圧縮して、画質は「ベーカム相当」というのがウリ、かつ画期的でした。
おそらく、番組制作のサブカメなどの用途で民生用DVカメラが使われ始めたのが事の起こりだったと思いますが、この規格、あれよあれよと映像業界に広まっていきました。そして、業務用のDVカメラが登場して大流行したのです。
DVを使ったカメラは感度が高く、値段が安く、いろんな意味で撮影現場のコストダウンにつながりました。
しかも、ソニーがDVの拡張規格、DVCAMを出してきて、メーカー側からもDVコーデックの業務利用に拍車をかけてきました。
すべての関係者がDVを受け入れたわけでなかったと思いますが(事実、こんなオモチャで仕事できないよ、という技術者もいましたし)、件の制作費下落の中で現実的には、DV機材を持っていない技術会社は仕事が薄くなってしまう、という事態にまでなってしまったのです。
おそらく最初の頃は、技術会社の側では、なんでプロダクションの連中はどいつもこいつも、こうまでしてDVを使いたがるのかわからなかったかもしれません。でもそのニーズの裏側には「撮ったあとの色々」がからんでいたのです。

ベーカムのころは、コピー1本とるのでもきちんとした業者に頼む必要がありました。信号がアナログなので、その管理に特別な設備と技術が必要だったからです。しかもそれに使うビデオデッキや周辺機器はむちゃくちゃ高価。
DV が画期的なのは、デジタルなので、だれがどんな環境でコピーしようが同じ結果が得られるというところです。デジタル信号を流すケーブル一本つなげば、DV機材でさえあればご家庭でビデオをダビングするのと同じように、コピーもハンドリングもできる。しかも百万ぐらいの業務用のDVデッキをつかおうが、家庭用の十数万円のビデオカメラを使おうが、ダビングなら結果に違いはありません。デジタルなのでどうやってもダビング画質の劣化はあり得ないわけです。ファイルのコピーですから。
これは、本当に便利なことでした。
収録素材をハンドリングするのに「プロである必要がなくなった」わけなんです。

そして、当然このDVビデオはパソコンでもハンドリングできます。
WinもMac もホームビデオ用にこのDVコーデックを標準的にOSレベルで搭載したので、何か専用機のような特別な設備がなくても、普通のパソコンで再生やコピーができる。PCの中に、収録素材とまったく同じ画質の素材をそのままファイルとして保存できるわけで、これは革命的。
ということは、普通のパソコンで編集できるようになったわけです。
それまでは、AVIDのように独自コーデックでお高いターンキーシステム、もしくは専用機じゃないとできなかった「デスクトップビデオ」が、普通のPCで可能になった。
DVが登場したことで、現在の「PCを使ったノンリニア編集で仕事をする」ための環境が整ったのでした。

えっと、なかなかFCPが登場しませんが、このあたりの事情を強調しておかないと、なぜこんなにFCPが「使える」のかがうまく伝わらないような気がしまして。

こうして、新しい世界が見えてきはじめたとはいえ、まだまだ業界はテープ編集が主流でした。色々問題意識は各方面から聴こえては来るのですが、一度定着したワークフローを変えるというのはなかなか大変なのです。

そうこうしながら、不況はさらに進み、予算もさらに落ち、VPの作品数も減ってきました。
これは、ちょっとそろそろ、まずいんじゃないのかな〜、まちばの演出屋としても、うかうかしてはいられなくなってきたのでした。
どうにか「自己防衛」というものを考えねば。

次回はいよいよ、FCP導入。それは暑い夏の日でした...。

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