SIDE B 生物CG

2012年8月11日 (土)

カンブリアン・カフェから新江ノ島水族館へ

CGで綴るカンブリア紀生物図鑑「カンブリアン・カフェ」を始めてはや3年近く。
Google検索で「カンブリア紀 生物」検索結果で最上位に表示されるようになりました。めでたしめでたし。
さて、そんな中、このたび、リアル界にも進出できることになりました。

神奈川県の、クラゲ展示で有名な新江ノ島水族館で9月から始まる企画展「命は海からやってきた-化石になった生物たち」に、カンブリア紀生物のCGイラストレーションを数点、提供することに。Web図鑑「カンブリアン・カフェ」から、初のリアル界進出でございます!
パネルにして近縁の現世生物とペアで展示されるようです。楽しみだ。生体とからんで展示という事なので、色々レンズを変えたりライティングをいじったりしてレンダリングしなおし中です。

新江ノ島水族館インフォメーション

で、カンブリアン・カフェに、1枚だけ、展示予定の画像をリークしてみました。
カンブリアン・カフェ
いつもは、モデリングのフォームをなるべく崩さないように、レンズ設定は望遠気味にしているのですが、今回は、かなり広角にして、若干まわりの環境も匂わせるような感じにしています。
描画はフォトリアルというより細密画風で、でもレンズは広角、というところに、ちょっと追求してみる余地があるかなぁ。焦点距離の問題は、深いですねぇ。

今後も、徐々にリアル界に滲みだしていけたらなぁ、と思っています。

あと、実は電子書籍版カンブリアン・カフェも構想中なのであります。
人知れず、しこしこ作っております。こちらは図鑑というより絵本のようなものを目指しているんですが...。

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2011年8月13日 (土)

Blender 2.5

しかしまたもや、猛暑猛湿、体がもたない...。

あまりの特殊なオペレーションゆえ、大変な苦労をして覚えたBlender2.49でしたが、新しい2.5もα版が出たし、全面的に乗り換えました。

大幅に改訂されたインターフェイス..うーんせっかく覚えたのにな~...とちょっとがっくり来たのですが、新バージョンを使い続けるうち、以前のオペレーションのあれこれは、すっかり忘れてしまいました。やはり、頭と体にムリを強いる事柄は、忘れやすいです(笑)。

全面改訂と言っていいBlender2.5ですが、一応、データの下位互換は保たれていて、モデリングはほぼ問題なく移行できます。ただ、テクスチャが一部消えてしまったりするケースがありました。Hairは、nomalの設定が崩れて、ほぼなんだか訳のわからない事になってしまいました。ボーンやアニメーションについては、そもそも使ってないので、よくわかりませんが...。
Oo00835

嬉しいのは、レイトレーシングのレンダリングが、かなり速くなったというところ。体感速度で、ヘタをすると2倍以上、という気がします。

色々作ってみていますが、コレは、前に作ったキンバエ(2.5のβ版で作ったもの)を改造してみた、ミツバチです。種類までは意識してませんでしたが、胴の縞の入り方はセイヨウミツバチっぽいですね。

Mitsubachi02_01

まあ、夏ですので、タチアオイの花も作り、ホバリングさせてみました。
植物も研究中ですが、花びらや葉の厚みの表現が難しいですね。モデリングというより質感の表現なのかなあ。
若干、被写界深度もいじってみました。
Aoi_hachi_up02

Blender2.5、触れ込みの通り、前のバージョンでは「建て増し旅館」のようになっていたインターフェイスが、再設計されて、ずいぶんわかりやすくなりました。
2.4*以前のショートカットもほぼ生きていたり、なくなったものもカスタマイズで復活できたりするので、前のバージョンからの乗り換えも(見た目以上に)ハードルは低いと思います。
僕は生物CGイラスト以外に、仕事のごく簡単な図解CGアニメーションとか、CGデザイナーに渡す絵コンテ、ビデオコンテに活用しています。
専業ディレクターにとってはCGはほぼブラックボックスなんですが、こういうソフトをいじっおくと、ちょっと「ヤツらの秘密」が解明されるかもしれません。なにしろ、無料だし、あらゆるOSにインストールできるし。事務所のWin機での作業の続きを自宅のMacで、というような事も、全く問題ありません。

なにより、普段主に時間軸と格闘しているディレクターにとって、形と空間を紐解くCGは良いアタマの体操になります。ボケ防止にも効果ありかも。

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2011年4月24日 (日)

オオカマキリ(CG)

とはいいつつ、いつもの行動もしていこうという事で...。
震災の頃に作っていた、オオカマキリ(メス)のCGです。

Kamakiri_2pose_02

子供の頃、好きだった昆虫のナンバーワンは、カブトムシでもなく、クワガタでもなく、カマキリでした。
カマキリは、「手」があって「首がよく回る」というあたりが、何か宇宙人的な魅力を醸し出しています。昆虫の中でも、擬人化しやすいタイプだと思います。

今住んでいる東京都板橋区でも、カマキリは良く見かけます。庭先にいつのまにか子カマキリが住み着いていたり、近隣にぽつぽつ残っている畑の生垣でゆらゆらしていたり、姿をみかけると、ああ、夏だ、という感じがしますね。
まだ羽の生えていない幼虫でも、ちょかいだすと、おもいっきり威嚇行動をとってきて「うぉっ」となります。

なんか「人」に似ている理由のひとつが、複眼の中にぽつんと瞳のような点がある事です。しかもいつも「コチラヲ見テイル」ような気がします。
これは偽瞳孔(ぎどうこう)という言うもので、角度によって複眼の一部に光を反射しないポイントができるために現れるのだそうです。
本カマキリとしては、実際にはほぼ前周囲監視をしているはず。

CG的に難しかったのは、後翅の質感かなあ。
ざららしているのに、透明感もあり、ツヤもあるようでないようで、というのが。プロジェクトファイルの質感設定を見ても、何をどうやったのやら、今となってはよくわからない...。なんか色々やったような気がします(笑)。

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2011年2月20日 (日)

キンバエ(CG)

ありふれた生き物をきちんとCGで作れるようになりたいプロジェクトなんですが、ハエです。キンバエ、学名 Lucilia caesar、読みは、うーむ、ルシリア・カエサル?でいいか?

Kinbae_12

体がエメラルドグリーンに光るのは、光の干渉によって発色する、構造色と言われるもので、タマムシとかモルフォチョウなんかも同じ原理で輝きます。
キンバエもごくありふれた昆虫だなあ、と思うのですが、身近にいたのは実は田舎に住んでいた子供の頃かもしれません。林の中に落ちている犬のう◯ちに上機嫌でとまっているイメージですね。
ハエは、肢でも味覚を感じているという事です。それってどういう感覚なのか...食べ物の上に止まると、6本の肢が味覚を感じている...なんだかめくるめく、官能的な生活だなあ。

しかし、ハチやトンボもそうですが、ハエもよく出来たロボットという感じがしますね。体のバランスのまとまりというか、きゅっと凝縮された、しかも機能的な感じがいいですね。
昆虫CGはちょっとクセになりそうな気がしてきました。
一応、眼には複眼の凹凸をマッピングしてあるんですが、もう少し強調してもよかったかも。
左側の飛んでいる方の肢の折り畳み方はちょっと自信がありません。

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2011年1月16日 (日)

ヤマトヌマエビ


ヤマトヌマエビ、日本では関東以南の河川にいる小さなエビです。
よく熱帯魚水槽の「苔掃除屋さん」としても飼育されますね。
幼生は海で暮らし、暖流に乗って分布を広げるので、「ヤマト」という日本的な名前の割には、マダカスカルやフィジーなど、太平洋に面した結構広い地域に分布しています。
カンブリア紀の節足動物がだいたいこれぐらいの大きさなので、勉強になるかなと思い、年末、仕事の合間に制作してみました。

Yamato_numa_15


まず勉強になるのは、脚の関節ですね。折れ曲がる部分はちゃんと「蝶番」の役割をはたすパーツが出来ています。そういえば蟹を食べる時に脚の関節を見るとたしかに、蝶番的なものがあります。と思って昆虫の関節を見ても、たしかにそういう構造がありますね。カンブリアの節足動物も同じに違いありません。
生き物の可動部分は「理にかなった」構造にしかなりようがないので、ここはどう動きそうか、その動きのためにはどういう構造が理にかなっているのか、と想像するのは重要なのだな、と。

それと、透明度の問題も勉強になります。体は透明感があるのですが、中は少し濁っていて中身が詰まっている感があります。
カンブリアの節足動物で透明にしたい場合、なんとなく見た目に綺麗なように、透明度と表面の質感だけを設定していたんですが、実際に、ヤマトヌマエビの写真を沢山みてみると、すりガラスのように少し濁った透明感です。これは大変参考になりました。
中身がからっぽな感じがしてしまう場合、これまではなんとなく屈折度を設定してごまかしていました。でも考えてみると実際には「水の中に水のかたまりがある」に近い状態なわけで、そう屈折するわけもありません、そこが気になっていたのですが、これで解決するような気がします。

んー、やっぱり現生の生き物CG、勉強になる。

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2010年12月23日 (木)

ニホンアマガエル

Blenderでかえるに挑戦しました。
日本には40種程度の蛙がいるそうですが、その中で、唯一アマガエル科の蛙、ニホンアマガエルです。

Amagaeru_25

難易度高いですね。
パーツのバランスのせいか、なんだかデカい感じになってしまった。
比較対象物がないのも一因ですが、小さいものはやはり単体でみても「小さい形」をしているものですよね、そのあたり、解明する必要があるなあ、と思いました。

ポイントだな~、と思ったのは、背側の皮膚と、腹側の皮膚の違いです。
背中側の皮膚は水分の蒸発を防ぐようにちょっと厚めになっています。
それに比較して、おなかの皮は薄くて柔らかい。カエルは水分はお腹の皮膚を通じて吸収するのですが、その関係なのでしょう。背中は多少弾力がある感じで、お腹はぷよぷよ、というイメージ。
水にも入るけど基本樹上棲というカエルは、こういう背中弾力お腹ぷよぷよですね。

CG ソフトには、サブサーフスキャッタリング(SSS)という機能があって、これは、モノの表面から入った光が内部で乱反射して表に出てくる様子をシミュレーションするものです。これによって内部の材質の違いが表現できるのですが、お腹と背とで、この値を変えてみたり、表面反射を若干変えて見たりと色々試みています。
前肢後肢(手足)に関しては若干透明度を与えて半透明のグミみたいな質感にしています。

色々気を使いながら作ってはみましたが、いまひとつかわいげがないのは、やはりポーズか。
まあ、単純に絵心の問題なのかもしれません...。
あと、全体のサイズ感がなんか大きいのは、モデリング以外にも、光の反射の「サイズ」とか、皺の入り方とかサイズとか、表面の凹凸の大きさとか、複合的な要因があるような気がします。
あと、全体のサイズとカメラ(レンズ)との関係もきちんと計算しないといけないのかもしれませんね。
これは、カンブリア生物を作っていても感じる悩みのひとつです。なんか大ぶりな感じになってしまうんです。

蛙は、好きですね、蛙の置物やグッズは、普通の人ならちょっと引くほど大量に保有しています。
あと、ついでなので、我が家の家宝の蛙図鑑をご紹介。めまいがするほど高いですが、すごい図鑑です。日本の蛙が実物大写真、しかもお腹側からみた写真(蛙の裏側)も全部載っているという、気合の一作です。

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2010年12月 4日 (土)

ヒョウモントカゲモドキ(CG)

えーと、Blenderいじりはじめてから、古生物の復元図をつくっています。
考えてみたら、現生の動物は作ったことがないなあ、と。
古生物も生物なので、「生き物らしさ」が重要だと思います。というか、それを出したくて作ってる。その修業のためには、今生きている動物をそれらしく作ってみるのが一番勉強になるんじゃないかと思い、ちょこちょこ作り始めています。

最初に形になったのが、これ、和名をヒョウモントカゲモドといいます。英名ではレオパードゲッコウ。

Hyoumon_39

中東にいるヤモリの仲間です。ヤモリといっても地上性で地面を這って暮らしています。日本にもいるいわゆるヤモリと違うのは、目にまぶたがある、というところですね。
ぱっちりした眼と、ぷりっとしたしっぽが特徴です。
ペット爬虫類としてポピュラーで、ドイツやアメリカではさかんに品種改良も行われています。実はうちでも飼育しているので(笑・ちなみに繁殖も成功済み)、写真資料の他に実物も参考にできるので便利。

皮膚の質感はさらっとしていてやわらかく、細かい凹凸があります。よく、ヘビにしても、爬虫類はぬるぬるしていると思っている人がいるようなんだけど、まったくの誤解です。
CG化するにあたって難しかったのが、この皮膚の質感です。
CGソフトには、プロシージャルという、いろんなテクスチャをアルゴリズムを使って生成する機能があるんですが、それを駆使します。このコの皮膚は、10種類程度のテクスチャを貼り重ねています。
色とか模様もそうですが、キモはやはり凹凸感ですね。ざっくり言うと、皮膚の表面に小さな鱗がならんでいるんですが、それをシミュレーションしただけだとどうも彫刻っぽくなっていまひとつです。それ以外に不規則で小さく、弱いいろんな凹凸、細かい皺のようなものなどを重ねていくとだんだん生き物っぽくなってくるような気がします。
多分、作った物ではなく「出来てきちゃった物」なので、制御されてない複雑さや、偶然性みたいなものが必要なんだろうと思います。
おそらく、彫刻やフィギュア(同じ?)だと、手技の偶然性みたいなものも入り込んで表面が複雑になっていくのではないかと想像するんですが、CGの場合は、偶然性もいちいち設定していく必要があります。

まー、まだ、実物の繊細な皮膚表面には遠いのですけれど。あとは、やはりポージングだなあ。

次は蛙に挑戦してみたいと思っています。皮膚の複雑さに加えて、皮膚表面の粘膜の表現が課題になりそうです。

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2010年8月 1日 (日)

イグアノドン

この季節になると毎年書くことなんですが、やっぱり、東京の夏は、何度経験しても慣れないですね、東北育ちの身には。
蒸し暑くて、モノを考えるのが億劫になってしまい、投稿するネタがまとまらないのです。で、久々の投稿は、またも、古生物復元CGです。つまり、やっていて楽しい事にしか頭が働かない...。
今回は恐竜、イグアノ ドン。 最初のバージョンは去年の今頃ぐらい。今回結構あちこち直してみました。

Igu_2010_08

このイグアノドンというのは、有名なわりには、イメージがはっきりしないというか、どういう恐竜?と問われても 説明に苦労する気がします。草食で群れで生活し、二足歩行になったり四足歩行になったりする体長7~9メートルの恐竜です。白亜紀初期といいますから、有 名なティラノサウルスなんかがぶいぶい言わせてた頃よりも前の時期の動物ですね。
子どもの頃、恐竜の本を見るとたいていイグアノドンは載っていた と思うんですが、どうも印象が薄い、というか、いまいち地味っていうか。

実は恐竜という生き物がかつて地球上にいた、ということがわかった発端がメ ガロサウルスという肉食恐竜と、そしてこのイグアノドンの化石でした。そういう意味では無視できないし尊敬すべき恐竜です。
発見されてからの歴史 が長いだけあって、復元図も色々変遷しています。最初は、名前のごとく巨大なイグアナのような「這う」生物として復元、さらにお腹を持ち上げて四足歩行する恐竜として復元され、のちに二足歩行、現在は、基本四足歩行でたまに二足歩行もした、という事になっているようです。四足歩行に戻った理由は、前肢の5本の指のうち真ん中の3本が手の甲側に曲がる関節を持っていたからだそうです。
前肢には他 にも特徴があって、親指が長めの角のようなカタチをしているという点です。これは捕食動物に対する防御用だと言われていましたが、現在では、食べ物である 植物の枝をかき寄せるために使われたのではないか、とされています。

白亜紀後期のど派手な恐竜と違い、イグアノドンは、なんか地味です。 なんか地味だけど恐竜学の始まりを作った生き物だし避けては通れないと、半ばいやいや作り始めたんですが、作っているうちにだんだんと愛着が湧いてきまし た。今はこの恐竜、大好きですね。味わい深い。
派手な特徴がない分、バランスが難しくて、まだちょっと不満点もあるんですが。
一番苦労したのは、全体のフォルムもそうですが、顔です。どうも、いまいち精悍な感じにならなくて。一応、まだ少し若い、メスの個体、というイメージです。

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と ころで、このCGのように、人工的な台座や環境に生物を復元するスタイルを勝手に「剥製復元図」と呼んでいます。今、この動物が生きていたとして、それを捕 らえたとして、そして剥製を作ったなら、こんな風?という設定で作っているんですが、生物の「形」に注目した場合、結構頭をすっきりさせて作れるので気に 入っています。

制作の頻度でいえば、カンブリア紀の外骨格の動物が多いんですが、そういう連中はどちらかというと形が外から決まっていくという面があります。それぞれの体のパーツの形とバランスがとれれば、なんか生物らしくなってくる。
でも、恐竜のような内骨格の生物は、支柱になる骨格に筋肉が配置され、その上に、脂肪がたまっていたりして、さらにその上にある厚みをもった皮膚があるわけで、外側の形が、体の内側に仕組みに支配されています...と同時に、地球上の引力とか、生息環境の湿度などにもさらされているわけで、表面の形状はどちらかというと動的、というか流れているイメージです。
なので、終わりがないというか、いじり始めると際限なくなってしまうという面がありますね。かといって、体表のディティールにハマってしまうと、野生動物のむっちりしてグラマーな感じとか、量感みたいなものが失われてしまうという感じもします。
CGは、形状を決めるポイントを粛々と動かしたり足したり引いたりすることなのですが、そういう行為と、ぱっと見の(クロッキーみたいな)動きや量感みたいなものを両立させるというのは、すごい修行が必要な事なんだと思います。精進あるのみですね。

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2010年6月28日 (月)

ブーメラン頭/ディプロカウルス

このところ蒸し暑くてさっぱりアタマが回らず、何か書いても文章がまとまりません...。ほんと、高温多湿は苦手です。というわけで、今回もCG生物図。
前回魚類だったので、今回は少し進化させて両生類です。

ディプロカウルスという、ペルム紀にいた完全水棲の両生類です。

Diplocaulus_06

ご覧のように、アタマの両側が極端に貼り出して、頭全体は三角形、というか、ブーメラン、というか、「く」の字型。
その頭のさきっぽの方に小さい眼が上を向いて付いています。上向きの眼から察するに、水底で生活していたのではないか、という事です。かわいい、というかひょうきん、というか憎めないやつです。

体長は60〜90センチという事なので、日本のオオサンショウウオぐらいのイメージですね。皮膚の質感なんかもオオサンショウウオを参考に復元してみました。表層はぬめっとしていて、その奥の皮膚は結構分厚い感じで存在感がある、という。
図の左が成体、右がまだ若い個体です。若い個体ではブーメランは発達しておらず、成長と共に頭の両側が伸びていくようです。
このブーメランの用途ですが、「性的ディスプレイ」とか「防御用の武器」とか「水流をとらえて泳ぎをコントロールするもの」とか諸説あります。

しかし、こういうCGを作っていて実感するのは、ネットのありがたさですね。
生物の復元図を作るためには色々と資料が必要なんですが、ネットがなかったら、僕のCGなんてほんと遅々として進まないに違いありません。恐竜ならいろんな図鑑も出ているので印刷物ベースで資料は手に入ると思いますが、なにせ、その資料ひとつひとつに何千円という値段がついているわけで。カンブリア紀の生物なんかだとその出版物資料も限られています。
今ならネットで検索すれば、かなり新しい知見まで知ることができるので、安いわはやいわで大助かりというわけです。

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2010年6月18日 (金)

恐魚:ダンクレオステウス

このところ、CGソフト、Blenderを使って古生物の復元図を作っているんですが、カンブリア生物に関しては、カンブリアンカフェというサイトで公開してまして、その他の恐竜ですとか、なんですとかをここですこしずつ公開してみようと思います。「公開するぞ」となると色々モデリングやテクスチャなども見直す機会になりますし。

というわけで、まずは、ダンクレオステウスという、デボン紀に栄えた魚です。

Photo

体長は数メートルから最大10メートルという巨大さ、ものすごく凶悪な顔と歯でもって、おそらく他の生物(もしくは同類)をバクバク喰っていたであろう巨大魚。まあ、あこがれの生物のひとつです。こやつが属する科は「ディニクチス科」、その意味は「恐魚」だそうです。
さきほど、わかりやすく「歯」と書きましたが、実はこの魚にはいわゆる「歯」はないのだそうで、口にぞろりと生えているのは実は「顎の骨」が凶器に変化したものだそうです。このあたりの乱暴で力まかせな感じもたまりませんね。動物の歯の起源はよく分かっていないそうですが、サメの類の皮膚が口腔に移動して成立した、という説があるようです。「歯」の起源は皮膚だということですね。だから生え変わったりできるわけですね、それに比較して、このダンクレオステウスの場合は、とりあえず凶器が欲しいから、てっとりばやく顎の骨を尖らせちゃった、という...。
この魚は、実は頭部の化石しか見つかってないそうで、という事から体の骨は化石になりにくい軟骨であったといわれているらしい。という事で、復元図も、体については諸説あるようです。まるでサメのような「泳ぎ回る」魚として描かれる場合もあるし、海底の泥の中に潜んで襲いかかる巨大ナマズのようなイメージで描かれる場合もあります。
この復元図の場合は、どちらかと後者のイメージ。泳いではいても、悠々と泳ぎ回るというわけではなく、海底をもぞもぞと這い回る、という風。現生の魚でいえばアフリカの肺魚のようなイメージで再現してみました。

こっちは生態復元図っぽいやつ。たまにCG見てもらっているCGデザイナーY君のリクエストに応えたもの。ポージングも大きな課題ではあるな~。

Dunkkleo_s2


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